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くさかんむり

来月3/3にS.R.Sの
ファーストアルバムが出るので
音楽雑誌でも彼らの初々しすぎる
青いインタビューが載っているのを
ときどき見かけて微笑ましい
http://www.srsnet.jp/splash.html

彼らの現場はアレンジもさることながら
歌詞の面で大きく手伝わせてもらいました
今作は楽曲はもちろん歌詞が全部素敵ですよ
良かったら是非聴いて下さい

最近では歌詞の書き方を教えて下さい
とお願いをされることも多いけれど

正直なところ
僕ももう十数年歌詞を書いていますが
正しい「書き方」なんてどこにもないから
作詞は面白いんだよということしか分かりません

だからあなたの音楽ならではの
いい歌詞って何なのか一緒に探しましょう
というのが僕の歌詞のプロデュースの基本です

とはいえ最近思うのは
近ごろ耳にするJ-POPの歌詞は
日増しに直接的になっているなということ

この現状を世の音楽評論家の皆さんや
音楽業界人の皆さんはこぞって
「わかりやすさの時代」だとか
「共感の時代」と呼んでいるけれど

そういう簡単なことではなくて
現場でずっと歌詞を書き続けている
僕の意見としては

今の時代に音楽を聴く人は
音楽を娯楽や趣味ではなく
薬だと思っている人の方が多くて
その効き目を強く求めている時代なんだ
ということではないかなと思います

聴き手が傷心や挫折や失恋や失望や
そういう普段の暮らしで生じた困難に
よりよく「効く」薬を求めている
ということではないかと思うのです

でも音楽にお医者さんはいないから
誰かが症状に応じた適切な処方箋を
出してくれる訳ではないので
自分で「薬」を探さなければいけない

そうなったとき、どうせお金を払うなら
より強い薬を、効く薬を、となるのが
人の心理というもので、それゆえに
「会いたい」とか「一歩踏み出そう」とか
「自分を信じて」とか「勇気を」とか

もはや表現における劇薬というか
とにかく率直で単刀直入でわかりやすくて
身も蓋も侘び寂びもほとんどない
直接的な歌詞が重宝されるように
なってくるのではとすこし思ったのです

音楽はいつの間にか
くさかんむりがついて
音薬になってしまいました
ということなのではないかと

ただの風邪だろうが何でもかんでも
すぐにタミフルを飲むような音楽ばかりの時代

でもただの風邪はただの風邪薬で治すのが
本当は心にも体にも健康的なことだと思うし

もっと言えばプラシーボで治せたら
一番幸せなことなのかもしれないと思います
そういう「まやかし」みたいな部分も
音楽ならではの魅力のひとつだと
僕は内心で思っているのですがどうでしょう

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